マルバヤナギ(丸葉柳) Salix chaenomeloides

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子どもの頃は「ネコヤナギ」とひと括りに覚えていたものの、大人になるとその種類の多さに圧倒されてしまう……。そんな経験はありませんか?

それもそのはず、ヤナギ科は世界に50属以上あると言われ、素人が厳密に見分けるのは至難の業です。

そこで今回は、学術的な分類というよりも、「いけばな花材」としての視点からヤナギを紐解いてみたいと思います。

目次

よく見るヤナギについて

ドイツで出会う「ヤナギ」

日本では、いけばなの花材として「アカメヤナギ(赤芽柳)(和名:マルバヤナギ(丸葉柳)」や「ネコヤナギ(猫柳)」がお馴染みです。ここドイツでも、日本で見かけるものとよく似た枝が、お花屋さんやスーパーに並びます。

早い時期では12月頃から姿を見せ始め、イースターが近づくにつれて手頃な価格で出回るようになります。冬から春にかけてのいけばな稽古には、欠かせない存在です。

覚えておきたい主な種類

調べていくうちに、ネコヤナギ系の呼び名にはさまざまなバリエーションがあることが分かりました。自分自身の備忘録も兼ねて、代表的なものを整理してみます。

和名別名・詳細学名
マルバヤナギ赤芽柳(アカメヤナギ)、ケアカメヤナギSalix chaenomeloides
ネコヤナギエノコロヤナギSalix gracilistyla
バッコヤナギヤマネコヤナギSalix bakko (syn. S. caprea)
フリソデヤナギ赤芽柳(アカメヤナギ) ※ネコ×バッコの交配種Salix × leucopithecia

ちなみにドイツ語では、これらの種類をひっくるめて 「Weidenkätzchen(ヴァイデン・ケッツヒェン)」 と呼びます。Weideは「柳」、Kätzchenは「子猫」という意味。どの国でも、あのモフモフした質感は子猫を連想させるのかもしれません。

英語での呼び名

英語では、種類によって以下のような呼び分けがあるようです。

  • ネコヤナギ:rose-gold pussy willow
  • バッコヤナギ:goat willow / pussy willow / great sallow
    ※マルバヤナギやフリソデヤナギに該当する特定の英語名は見当たりませんでした。

個人的には、やはり「ネコヤナギ」という呼び名が一番しっくりきます。あの愛らしい手触りは、まるで本物の猫を撫でているかのよう。

春の訪れを感じさせてくれるヤナギですが、体質によってはアレルギー反応が出る場合もありますので、扱う際はどうぞお気をつけください。

花写真

2026.01
Nikon D7500
ドイツ南西部

花の基本情報

和名:マルバヤナギ(丸葉柳)
別名・通称:アカメヤナギ(赤芽柳)、ケアカメヤナギ
学名:Salix chaenomeloides
独語名:Drachen-Weide(※近縁種を含めた総称。一般にはWeidenkätzchen)
英語名:Japanese Pussy Willow
科属:ヤナギ科 ヤナギ属
分類:落葉高木
原産地:日本、朝鮮半島、中国
開花期:3月〜5月(葉の展開とほぼ同時)
花色: 黄緑色(雄花は黄色い葯が目立つ)
実色:
背丈:10m〜20m(地植えの場合。花材用は剪定管理される)
花言葉:「強い忍耐」「素直」「自由」

特徴

アカメヤナギの最大の特徴は、その名の通り新芽を包む鱗片(芽鱗)が赤く色づくことです。いけばなでは、この赤い芽が冬の凛とした空気感を引き立てるため、正月飾りや冬の花材として重宝されます。

また、他のヤナギ類に比べて葉が丸みを帯びていることから「マルバヤナギ」と呼ばれます。枝は矯め(ため)が効きやすく、曲線を作って動きを出すことができるため、いけばな(特に生花や自由花)の稽古には欠かせない万能な枝ものです。

育て方

非常に強健で、初心者でも育てやすい樹木です。

  • 日当たり・置き場所 日向を好みます。湿地を好む性質があるため、乾燥しすぎる場所は避け、水持ちの良い土壌が理想的です。
  • 水やり 「水辺の植物」というイメージ通り、水を非常に好みます。鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと与え、水切れさせないように注意します。
  • 剪定 成長が非常に早いため、放置すると数メートルまで大きくなります。庭木として楽しむ場合は、花が終わった後の新芽が出る前に、好みの高さで切り戻しを行うのがポイントです。
  • 増やし方(挿し木) 生命力が強く、剪定した枝を水に挿しておくだけですぐに根が出てきます(水挿し)。そのまま土に植え替えれば簡単に根付きます。

いけばな

花材:赤芽柳、スプレー菊
花器:丸水盤
花型:観水型
花材:赤芽柳、着色かすみ草
花器:変形花器
花型:フリースタイル

花材として

初心者からでも扱える枝として、いけばな稽古には欠かせない花材。

枝を矯めることができるので、自由な表現にもよく使われます。

枝を矯(た)めるとは、枝を両手でひねりながら形を作ることです。

真っ直ぐな枝を矯めて、曲線をつけると柔らかさや動きをだすことができます。

【いけばなの豆知識】姿で変わる呼び名

いけばなの世界では、植物学上の名前とは別に、その時の「姿」によって呼び名を変えることがあります。私の師匠からは、こんな粋な教えをいただきました。

  • 赤芽柳(アカメヤナギ):赤い芽鱗(がりん)に包まれている状態。
  • ネコヤナギ:その殻が脱げて、中から銀白色の柔らかな毛(花穂)が顔を出した状態。

本来は別種ですが、殻を脱いで「猫」のようなモフモフが現れる劇的な変化を、あえて名前を変えて楽しむ。まさに、植物の生命力と向き合ういけばなならではの呼び方ですね。

花に対する個人的レビュー

このレビューは、育てた感想、いけばなで使う時の個人的感想、備忘録です!

アカメヤナギ・ネコヤナギ
総合評価
( 4 )
メリット
  • 枝として扱いやすい
  • 切花でも長持ちする
デメリット
  • 体質により花粉症の原因になることもある

お散歩ブログより

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