ボケ(木瓜)Chaenomeles

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春の訪れをいち早く告げてくれる「ボケ(木瓜)」の花。一口にボケと言っても、実は大きく分けて二つの種類があるのをご存知でしょうか。

一つは、中国原産で庭木として広く親しまれている「ボケ」です。樹高が2〜3メートルほどになり、赤や白、絞りなど色とりどりの華やかな花で目を楽しませてくれます。

そしてもう一つが、日本原産の野生種である「クサボケ(草木瓜)」です。「草」という字が使われていますが草ではなく、樹高が30〜100センチほどにしかならない背の低い木です。地面を這うように広がるその控えめながらも力強い姿は、野趣あふれる趣があり、我が家の庭でも大切に育てているお気に入りの一株です。

どちらもバラ科ボケ属に分類され、瓜(ウリ)に似た香り高い実をつけるという共通の特徴を持っています。今回は、そんな古くから日本人に愛されてきたボケの魅力と、初心者でも失敗しない育て方のポイントをご紹介します。

目次

花写真

2023.03
Nikon D7100
ドイツ南西部

写真はクサボケ
我が家の庭にて撮影

花の基本情報

和名:クサボケ(草木瓜)ボケ(木瓜)
別名・通称:シドミ、ナベワリ、ジナシ(地梨)カラボケ(唐木瓜)、モケ(木瓜)、ヒボケ(緋木瓜)、カンボケ(寒木瓜)
学名:Chaenomeles japonicaChaenomeles speciosa
独語名:Japanische ZierquitteZierquitte
英語名:Maule’s quinceJapanese quince
科属:バラ科 ボケ属バラ科 ボケ属
分類:落葉低木落葉低木
原産地:日本中国
開花期:3月〜4月頃2月〜4月頃
花色: +朱色 +朱色
実色:
背丈:約30〜100cm約100〜300cm
花言葉:「先駆者」「平凡」「早熟」「先駆者」「平凡」「早熟」

ボケ(木瓜)とクサボケ(草木瓜)の特徴

「木瓜」という漢字は、日本で古くから親しまれている庭木の「ボケ」や、日本原産の「クサボケ」を指します。これらは非常に近い仲間であり、同じ方法で育てることができます。

1. 日本の野生種「クサボケ(草木瓜)」

まずは、日本に古くから自生しているクサボケからご紹介します。

  • 特徴: 日本原産の野生種です。名前に「草」と付きますが、草ではなく落葉低木です。樹高は30cm〜100cm程度と低く、地面を這うように横に広がります。
  • 花: 朱色がかった鮮やかな赤色が一般的です。
  • 実: 完熟すると非常に良い香りがするため、「地梨(ジナシ)」とも呼ばれます。酸味が強いため生食には向きませんが、果実酒やジャムに利用されます。

2. 園芸で人気の「ボケ(木瓜)」

一般的に「木瓜」として広く知られている、中国原産の種です。

  • 特徴: 平安時代に日本へ渡来したと言われています。樹高は2mほどまで成長し、鋭いトゲを持つのが特徴です。
  • 花: 3月〜4月頃に見事な花を咲かせます。白、ピンク、赤、紅白が混ざる「絞り」など、クサボケよりも花色が豊富です。
  • 由来: 実が瓜(ウリ)に似ていることから「木に成る瓜」=「木瓜(もけ)」と呼ばれ、それが転じて「ボケ」になったと言われています。

クサボケ、ボケの育て方

1. 栽培環境(置き場所)

  1. 日当たり重視: 太陽が大好きです。日当たりが悪いと花付きが悪くなるだけでなく、枝が細くなってしまいます。
  2. 風通し: 湿気がこもると病気(うどんこ病など)になりやすいため、風通しの良い場所を選んでください。
  3. 地植え・鉢植え両方OK: どちらでも育ちますが、盆栽のようにコンパクトに楽しみたい場合は鉢植えがおすすめです。

2. 水やり

  • 鉢植え: 土の表面が乾いたら、鉢底から水が出るくらいたっぷりと与えます。
    • 注意: 木瓜は意外と「水食い」です。特に開花中や夏場に乾燥させすぎると、蕾が落ちたり葉が枯れたりするので注意してください。
  • 地植え: 基本的に雨水だけで育ちますが、夏場に日照りが続くようなら朝か夕方に水を与えます。

3. 肥料

  • 時期: 5月〜6月(花後)と、9月〜10月(秋)の年2回与えます。
  • 種類: 固形の油かすや、緩効性(ゆっくり効く)の化学肥料を根元に置きます。

4. 剪定(せんてい)

ここが一番のポイントです。木瓜は放っておくと枝が暴れてトゲも痛いため、定期的なカットが必要です。

  • 花後の剪定(5月頃): 伸びすぎた新しい枝を2〜3芽残して切り詰めます。
  • 冬の剪定(11月〜2月): 葉が落ちた後、全体の形を整えます。花芽(ふっくらした芽)を切り落とさないよう、葉芽(尖った芽)との違いを見極めて切りましょう。

5. 注意すべき病害虫

  • 根頭がんしゅ病: 根にコブができる病気です。植え替えの際に根をチェックし、コブがあれば切り取って消毒します。
  • アブラムシ: 春先に出やすいので、見つけたら早めに駆除しましょう。

育てる上でのアドバイス

木瓜は「挿し木」で比較的簡単に増やすことができます。剪定した枝を土に挿しておくだけで根付くことも多いので、慣れてきたら増やしてみるのも楽しいです。

いけばな

↑上の写真

花材:クサボケ、マツ
花器:皹寧窯礎瓶
(ひびねいよういしずえへい)
花型:フリー

←左の写真

花材:クサボケ
花器:変形花器
花型:フリー

花材として

四季を通じて使える花材です。

枝は矯め(枝に力を加えて形を作ること)ができるので、お稽古には欠かせない花材。また初心者から上級者まで使える枝です。

ボケは暴れる枝(四方八方に伸びる)なので、整理しすぎないことが重要です。またいけばなでは枝が交差するのを避ける傾向がありますが、ボケに関しては枝の交わり(ボケの特徴で暴れる姿)を見せることもあります。

花に対する個人的レビュー

このレビューは、育てた感想、いけばなで使う時の個人的感想、備忘録です!

ボケ(木瓜)
総合評価
( 4 )
メリット
  • 育てやすい
  • 枝を矯められる
  • 育ちが早い
デメリット
  • 定期的な剪定が必要
  • 枝が暴れる
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